建物倒壊のメカニズム
阪神大震災で亡くなった人の8割以上は建物の倒壊などによる圧死が原因とされています。
いつ大地震が来ても大丈夫なように、建物の耐震性を高めておくことが重要です。
地震が建物に与える脅威は「強い揺れ」「繰り返す揺れ」「共振現象」の3つです。
これからその3つについて説明していきます。
強い揺れ
建物の揺れが大きければ大きいほど、建物にあたえるダメージも大きくなります。
建物が大きく揺れると、内部構造が崩れていき、ますます揺れに対して弱くなっていきます。
そのため、強い揺れに対しては揺れを吸収し揺れを小さくする制震が重要になってきます。
繰り返す揺れ
繰り返す揺れにより、建物はダメージを蓄積していきます。
新築のときはとても丈夫だった建物も、何度か揺さぶられると少しずつ損傷が重なり、耐力を低下させてしまい、
はじめの設計では耐えられるはずの地震で倒壊することも大いに考えられます。
一度の地震では些細な損傷だったとしても、徐々に建物が揺れに対して弱くなっていき、
蓄積するダメージも大きくなっていってしまうのです。
なので古い建物ほど、しっかりとした地震対策を行う必要があります。
共振現象
地震時に建物の振動に合わせたリズムで地盤が揺れると、建物の揺れが勢いづいて、増幅されます。これを共振現象と言います。
建物の場合は、「高さ」「重さ」「固さ」などで揺れるリズムが決まっています。
このリズムはその物体が固有に持っている揺れの周期なので「固有周期」と呼ばれます。
しかし、地盤の揺れのリズムは様々なので、どの建物でも共振現象が発生する可能性があります。
どんな建物でも地震に対する対策は欠かせないのです。
図のように地盤の揺れと建物の揺れのリズムが重なると、共振現象により揺れが増幅されます。